一年前、インテルの13世代・14世代CPU不具合問題が発覚しました。対策としてインテルはマイクロコードを修正、各マザーボードメーカーは修正マイクロコード対応のBIOSを公開しました。同時にインテルはCPU保証期間の2年間延長を発表しました。小生、CPUの保証期間が3年と言うのを知りませんでした。以前は新機種が登場すると直ぐに乗り換えていたし、インテルCPUの品質も安定していたのです。
最近はAMDやNVIDIAに押され気味ですが、今回の問題はインテルの技術開発力に陰りが見えてきた予兆かもしれません。取り敢えずの対策として、マザーボードのBIOSをバージョンアップ、BIOSの設定もインテル推奨のIntel Default Settingsにしました。その結果、それまでAdobe CS6等を使っている時に偶にあった原因不明のフリーズは発生しなくなりました。
残る問題は、それまで約一年間使用していたCPUの劣化です。Webで評判の「劣化確認テスト」を実施したところ劣化の可能性が確認されたので、CPU保証交換の請求をすることにしました。とは言え、横着者なのでCPUの交換請求を先延ばししてましたが、この夏の異常な暑さのせいで心境が変化したのか、突然CPU交換請求をする気になりました。
◆CPU交換の請求先
その気になったものの面倒なことが2つあります。一つはインテルへの交換請求のルートがハッキリしないことです。もう一つは保証交換中の代替PCの確保です。前者の窓口問題ですが、よく分からないのでインテルのWebサイトの「お問い合わせ」にアクセスしてみたら、予想通り「販売店に相談して下さい」とのことでした。下図の①です。

上の図に示したように購入先のヨドバシでは対応出来ないので、もう一つの選択肢②の「オンライン・サービス・リクエスト」をクリックしてみると、ログインを求められました。30年近くインテルのCPUを使っていますが、CPUでサポートを受けた記憶がありません。従ってログインした記憶もなく一寸慌てました。

登録データを収めた我がPCのフォルダーを覗いても、インテルへのサインイン情報は見当たりません。初めてのサインインに躓きながら、何とかインテルのカスタマーサポートセンターにアクセス可能になり「劣化確認テストと購入先の対応状況」をメールしました。対してサポートセンターからセキュリティチェックのためのアカウント確認コードが送られてきて、そこからCPU交換の手続きが開始しました。
◆保証交換
カスタマーサポートセンターから求められた情報〈ロット番号・シリアルナンバー・納品書記載のデータ等々〉をメールに添付した結果、我がCPUを交換担当部署(成田空港の近くにあるビルの5階)に送るよう指示がありました。送付先はインテルジャパンではなく「○○気付インテルジャパン」でした。同メールには当方が発送する不具合品の梱包について、注意事項が長々と書かれていて閉口しました。その文意は購入時の化粧箱その他は同梱せず、CPUだけを送れ、但し損傷しないようにパッキングは厳重にと言うことでした。
CPUチップ〈Core i9-13900K〉を裸で送るわけにもいかないので、購入時の同梱品のプラスチックケースに収め、そのプラケースをセロテープで固定しました。そのCPUを段ボールに収め、カスタマーサポートセンターの注意書きに従って入念に梱包して送ったところ、思ったより迅速に交換品が届きました。宅配業者の追跡情報を見ると、不具合品がインテルに到着した次の日には交換品が発送されています。インテルでのチェックは、CPUの劣化の確認ではなく、メールで遣り取りした情報と現品に刻印された製造情報を突き合わせるだけのようです。
◆交換品
思ったより早く届いた交換品は「Core i9-13900K」ではなく「Core i9-14900K」でした。次世代機種なので、本来なら「ラッキー」と思うところですが、14900Kも不具合問題を抱えた機種なので「ラッキー」と言う気分にはなりません。とは言え、新品なら未だ劣化はしてないので、BIOSの設定をIntel Default Settingsにしておけば取り敢えず不具合問題は解決です。

上の画像を見ると13900Kはプレミアム・ボックス・デザインですが、保証交換品として送られてきた14900Kはスタンダード・パッケージです。インテルのハイエンド・デスクトップ・プロセッサーは、最初はプレミアム・ボックス・デザインで提供されますが、新しいプロセッサーが市場に投入されると、スタンダード・ボックス・デザインに移行するようです。
◆保証交換後のBIOSアップデートと劣化確認テスト
交換品「Core i9-14900K」を組み込んだ時点のBIOSは昨年8月にアップデートした時のままでVer.2503でしたが、その後、サポートセンターのT氏から最新のBIOS Ver.3001へのアップデートを勧められました。昨夏のマイクロコード修正以降も何度かマイクロコードの改善があったようで、細かい修正内容は分かりませんが、BIOS Ver.3001にアップデートしました。

念のため、NVIDIAドライバー連続10回インストールの「劣化確認テスト」を実施し、エラーが発生しないことを確認しました。劣化確認テストなので、新品なら当然エラーは発生しません。交換品の動作状況をメールした結果、サポートセンターT氏から「本日を持ちまして、こちらのケースはクローズさせていただきます。」との返信がありました。

◆代替機の確保
保証交換中はPCが使えないので代替機を準備する必要がありました。これが保証交換の面倒なことの一つです。我がPCから不具合CPUを取り外し、インテルに送付し、インテルからの交換品CPUが届いて我がPCに取り付けるまでの期間、現有機の代わりに使うPCが必要なのです。最安のCPUを購入する手もありますが、2週間を凌ぐだけなので、休眠状態の Windows 10 機を再登場させることにしました。

代替機のOSはWindows 10なので、Windows 11に慣れた身には使いづらかったです。代替機のマザーボードに搭載されたリチウムイオン電池が消耗してしまったためか、起動の度にBIOSを弄ってHDDの動作モードをAHCIからRAIDに切り替える必要がありました。CドライブはSSDですが、Dドライブは4TBのHDD3台でRAID5を構成して8TBの領域を確保していたのです。














