
我がサラリーマン時代の通信手段と言えば電話・テレタイプでした。80年代にはテレタイプがファックスに置き換わりました。
90年代中頃から「パソコン通信サービス」を利用したメールが使われ、事務・技術系社員にメルアドが配布されました。
小生は2000年4月末に退職したので、仕事で携帯電話を使ったことがなく、当時はそれほど普及してなかったと思い込んでいました。
しかし、右上のグラフを見ると2000年でも40%を超えており、PHSを加えると50%を超えていたようなので驚いています。そんな認識不足の小生ですが、出張先で某大学の助教授にiモードの便利さを見せつけられて、携帯端末の将来性に心を揺すられた記憶があります。
退職後は囲碁三昧で携帯電話とは益々縁が薄くなりました。携帯が無くても普段の隠居生活では殆ど不便を感じなかったのですが、先年能登半島に出掛けた時、一寸痛い目に遭いました。出発の一週間くらい前に予約したタクシーが、指定した待ち合わせ場所に現れなかったのです。輪島の街では公衆電話が見当たらずタクシー会社と連絡がとれません。その時は幸運にも親切な方に助けられて急場を凌のぐことが出来ました。このことが頭の片隅に残りました。
◆スマホ購入
2017年4月に鹿児島へ出掛けることになり、現地の移動で観光タクシーを予約したのですが、予約受付担当者から「携帯の番号は?」とのメールが入り、輪島の一件もあって、携帯端末の購入に踏み切りました。ガラケーや大手キャリアのスマホは気が進まなかったので、最近普及してきた「格安スマホ」に狙いを定めました。携帯電話の普及率が100%を超えているのに、小生にとっては全く未知の世界で、格安スマホについても「キャリアより料金が安い」と言うイメージしかありませんでした。

乏しい知識を補強するため、散歩の途中で地下街の有隣堂に立ち寄り、パソコンやスマホ関連の雑誌が並ぶ一角で物色していると、平積みされた「格安スマホの選び方・使い方がぜんぶわかる本」と言う表題のムック本が目に入りました。記憶力が益々衰えてきたので、立ち読みだけでは心許なく思い購入しました。帰宅後に斜め読みして大雑把な知識は把握出来ました。
1)通信業者には移動体通信業者(MNO:キャリア)と仮想移動体通信業者(MVNO)がある。
2)MVNOはMNOから回線を借りて、通信サービスを「格安SIM」と言う形で提供している。
3)格安スマホは「SIMフリー端末+格安SIM」で構成される。
MVNOは「SIMフリー端末+格安SIM」をセットにして販売していますが、セットでは端末の機種が限定されるので、小生はSIMフリー端末と格安SIMを別々に購入することにしました。早速ネットで端末の仕様や評判を調べました。初めてなので国内メーカー製が無難かなと思ったのですが、台湾のASUS製のZenFone3(5,5型液晶)を選びました。

小生のPC自作歴は20年ほどですが、使用したマザーボードの8~9割がASUS製だったので社名に馴染みがあり多少の安心感もあったのです。
価格は新機種のためかあまり安くなかったので格安とは言えませんが、5,5型の大型液晶なので視力の衰えた老人に優しいと思ったのです。旅行日が迫っていたので、どちらかと言えば衝動買いでした。
問題はSIMです。MVNOの提供するサービスの評価はネットや上記ムック本でも判断し難いです。これまで携帯無しで過ごしてきた小生、購入後どんな使い方をするのか見当もつかず、MVNOの比較検討が出来ません。
ここは「エイ!ヤッ!」で決めるしかありません。何かで読んだ「初心者はIIJmioが無難。」と言うフレーズを思い出してIIJmioを選択しました。以前、自宅サーバーを立てる時に検討したプロバイダーの中の1社だったので、IIJに馴染みがあったことも影響していたかもしれません。
早速、端末とSIMをヨドバシで購入したのですが、帰宅してSIMのパッケージを開封すると、音声通話パックには肝心のSIMは同梱されていないことが判明しました。よく見るとパッケージの表面にも「SIMカード後日配送」と明記されていました。「しまった!店頭で開通して貰えばよかった。」と思っても後の祭りでした。とは言え、店頭で手続きとなるとヨドではだめでビックでしたが – – – 。

SIMカードの代わりに入っていたのは「エントリーコード」でした。このコードを使ってIIJmioのWebサイトで格安SIMを申し込むと一週間くらいでSIMが送られてくるのです。鹿児島旅行には間に合わないかもしれません。
申し込みの際、本人確認書類をアップロードするのですが、入力フォームに書き込んだ住所と確認書類の住所表記が一致しなかったため、次の日に「確認出来なかった。再度手続きせよ!」とのメールがIIJmioから届きました。本人確認に手間取ったため、SIMが届いたのは出発前日の昼頃でした。
SIMの届くまでに間があるので、折角入手したZenFone3を遊ばせておくのは勿体ないと思いSIM無しで使うことにしました。SIMが無いとMVNO提供の回線は使えませんが、Wi-Fi 接続ならスマホをインターネットに接続出来るので、SIMが届くまではWi-Fi 接続で使うことにしました。
短期間でもスマホを使って慣れておきたかったのです。と言っても、この時点では我が家にはWi-Fi 環境が無かったのでWi-Fiルーターを購入することにしました。格安スマホといい、Wi-Fiルーターといい、何とも泥縄的対応ですが、我が机の上のプリンター複合機もドキュメントスキャナーも周辺機器はWi-Fi 接続が主流になりつつあるのでこの機会に無線化に挑戦してみようと考えたのです。