デジタル一眼レフ

隠退生活に入って直ぐ、キャノンのiXYデジタルを購入した。軽くて便利なのでWeb用の写真等は専らiXYで撮っ た。手軽過ぎて一寸物足りなさも感じていた。デジタル1眼レフは「大きい、重い、高い」と言う意識があって購入を躊躇していたが、キャノンのKissデジタル、ニコンのD70 の登場で「いよいよ買い時」と思った。

◆初めてのデジイチD70
2004年3月19日(金)、ニコンD70の発売日に横浜駅西口のヨドバシカメラを覗いてみた。ウィークデイ だったので余り混んでなくて実物に触ることが出来た。上級機に比べてコンパクトで格好も良いので「D70レンズキット」を買う気になった。しかし若い店員に「予約をしてないお客様はダメです。」と断られてしまった。新発売のカメラを確実に手に入れるには予約が必要だと言うことをこの時初めて知った。

初のデジ一:D70

帰宅して通販のサイトを覗くと、 店頭価格と同じ価格(送料無料)で即納と出ていた。即、購入を申し込んだ。三日後に現品が届いた。 早速開梱してバッテリーを充電した。

CFメモリーの準備を失念していたので、取り敢えずコンパクトデジカメからCFを外して間に合わせた。夜中だったが撮影可能になったので、マニュアルと首っ引きで機能と操作方法の確認を行った。

ここで年は取りたくないものと痛感した。操作方法が頭に入らず直ぐ忘れてしまうのである。その上、全ての事項を平坦に漏れなく記述するマニュアルを読むのが億劫で間怠っこしい。何か入門書が必要だと思った。

初めて買った解説書
初めて買った解説書

翌日、散歩の途中で伊勢佐木町の有隣堂に立ち寄り、デジ一の入門書を物色した。何冊か比較していると、小生と同年配の男性が隣に立ち矢張りデジ一入門書を手にとっている。何となく競争心が湧いてきて、急いで選んだのが右の本である。

内容はデジタル1眼レフに関する基本知識と撮影のコツについて初心者向けに書かれている。ふんだんにカラー写真のサンプルを使って「撮り方+楽しみ方」を教えてくれる。

実際に使ってみると、デジタル1眼レフの操作体系はよく整理されていて、階層化されて複雑なコンパクトデジカメの操作体系よりも分かり易すく感じた。 とは言え、若い時と違って覚えが悪いので、いざシャッターを押す直前にマニュアルを開くことも度々である。自信がないので旅に出る時もマニュアル持参である。

 

◆D70トラブル 1(ローパスフィルターの汚れ)
4月中旬に松本城の桜を撮りに行った。帰宅後、パソコンで写真を見ていたら青空の片隅に変な“シミ・汚れ”があった。注意して見ると、他のコマでも同じ位置で同様の「シミ ・汚れ」が確認された。こんな場合、販売店へ持ち込んで文句を言って新品交換して貰うのだが、ネット通販なので文句のやり場に困った。

考えた末、メーカーのサービス窓口に電話した。シャッターが切れないとか、電源スイッチが入らないと言う不具合なら明白な欠陥だが、シミや汚れは欠陥ではなく、単なるメンテナンス事項なので「ニコンのサービスセンターに持ち込んでクリーニングを依頼して下さい。」 とのことだった。ニコンのサービスセンターは神奈川県には無く銀座か新宿だった。

湘南新宿ラインが出来て便利になったが、新宿のサービスセンターへの往復とクリーニングに半日掛かった。買ったばかりなので、汚れは出荷検査での見落としと思われるが、今回のように問題の解決が 「修理・サービス」で済まされてしまうと、いつまで経っても出荷品質のレベルアップにフィードバックされない点が気掛かりである。

◆D70トラブル2(電源)
次の年の夏、D70の電源が入らなくなった。クリーニングの時と同じサービスセンターに持ち込んだ。工場は盆の休みに入るので修理に2週間は掛かるし、保証期間を過ぎているので有償だと言う。しかし、不具合の症状から推定すると設計か製造に問題があったのではないかと思い、カウンターを挟んで押し問答となった。

カメラ店と違って、サービスセンターはカウンターの前が待合室になっていて小生と窓口担当との遣り取りが筒抜けなので言い争いのし難い雰囲気である。お店なら簡単に引き下がらないのだが、高層ビルの瀟洒な雰囲気に負けて、いつもの粘りを発揮出来ず、有償を認めて修理を依頼した。有償も納得出来なかったし、2週間以上使えないのも痛かった。

数ヶ月後、ニコンから封書が届いた。その後、電源トラブルが続々発生したようで、リコール対象となり無償修理の取り扱いになったので、修理代を返却するとのことであった。この問題はニコンのホームページに掲載されていたが、小生は見ていなかった。ただ「設計か製造に問題あり」と言う小生のカンは当たっていたようだ。

トラブルと言えば、最近の日本製品の品質が落ちているような気がする。定年退職後に購入した製品で見ると、デジタルBSチューナーとD-VHSレコーダーの録画連動機能の不具合(数年越しで未解決)、HDD録画機、斜めドラム式洗濯・乾燥機、D70等がある。 いずれもソフト絡みの不具合で、ITが日本企業の弱点である。

D200
2台目のデジ一:D200

◆アップグレード
2005年12月にD200が発売された。 D70を使いこなしていない小生だがD200の魅力に勝てず乗り換えたくなった。ところが、発売当初は品薄で発売後も予約が必要とのことだったので購入は見合わせた。

D70と比べると重いのが難点で、品薄で入手難でもあったので中々購入に踏み切れなかったが、諦めきれず半年位の間、散歩の途中でヨドバシに寄って、展示中のD200に触っていた。

結局、迷った末に購入。D70とコンタックスGⅡの出番がなくなった。あちこち売却先を検討、2ヶ月後にD70はPC系の買い取り店、コンタックスGⅡはカメラ系の買い取り店に売却した。この時、往年の名機AE-1も処分したかったのだが、こちらは電池を入れても動作しないので売却を断念した。

2007年8月にD3とD300の発売がアナウンスされた。
新丸ビルで開催されたD3・D300のキャンペーンの初日は押すな押すなの盛況だった。D200は未だ1年半しか使ってないので、D300を買うかどうか発売1週間前まで迷った。発売日の1週間前にネットで予約、発売日の前日(2007年11月22日)に宅配便が到着。早速、山手のイタリア公園に行って、洋館を撮ってみた。

3台目のデジ一:D300

本体の外形はD200と殆ど同じなのであまり感激は無かったが、背面の液晶画面が見やすくキレイなのは気に入った。

しかし、勢いに任せて、短期間にパソコン感覚でD70→D200→D300 とアップグレードしたため、加齢で記憶力が衰えていることもあり、有り余る機能を使いこなせずもどかしさを感じることが多々あった。

実は2007年の夏、小形のフォーサーズの購入を検討していたが、D3、D300のアナウンスを聞いたため機種乗り換え計画はストップしてしまった。

デジカメを使い始めた当初、若葉マークのフォトグラファーにはカメラバックは一寸面映ゆく感じて、黒っぽいレジ袋に入れて移動していた。D300の購入を切っ掛けに、初めてカメラバッグを購入した。コンパクトなバッグだったので嵩張らずスムーズに出し入れ出来るようストラップをニコン製でなくシンプルなものに交換した。D300を使い始めてD200の出番が無くなった。2台持ち歩く体力は無いので未練を持ちつつも売却処分した。レンズは18-200mmズームに加えて、35mmF2、60mmF2.8マクロの2本を追加した。

ここで一寸話題を変えて、フィルム時代の一眼レフとデジタル一眼レフの大きさと重さを比較してみる。(下表)    と言っても小生が手に入れたカメラに限定しての比較である。初めてのデジ一だったD70はAE-1に比べて外形は大きいが重量はあまり変わりなくスンナリと移行出来た。ところがD200は本体だけでなく、レンズも手ぶれ補正機構が組み込まれて重量を増し、本体とレンズの合計重量増が半端でなく、買い換えをなかなか決断出来なかった。

カメラのサイズと重量の比較
4台目のデジ一:D500

2007年にD300が発売され、後継機のD300sが2009年に発売された後は後継機の噂ばかりが流れて実機の登場が無かった。その代わりにコンパクトなフルサイズ機D600が登場したのでD300から乗り換えた。更にD800に更新したのでAPS-Cとはお別れしたつもりだったが、2016年4月28日にD500が発売された。D300sから数えても7年が過ぎていた。

この時、我がフルサイズ機はD810になっていたが、我慢出来ずにD500の発表直後に予約した。上にも書いたように2台持ち歩く体力は無いので、暫く使ってどちらかを処分するつもりだったが、2016年の秋にD810の後継機の噂が出たので、中古価格が下落する前にD810を処分した。ところが、なかなか後継機が出てこなかった。売却して半年以上経った2017年9月に漸くD850が登場した。

2017年9月にフルサイズとAPS-Cの2台体制に戻ったが今はD850を持ち出すことが多い。