フルサイズミラーレス

昨年(2018年)夏にニコンがフルサイズミラーレスZ7/6の発売を発表してから一挙に業界全体が騒がしくなりました。小生は一年前にD810 からD850に買い換えたばかりだったので一寸迷いましたが、思い切って予約受付開始日に予約しました。これまでの買い換えパターンは新機種発表を知って、買うと決めたら手持ちの旧機種は即売却したのですが、今回はレフ機からレス機への一大転換なので、暫くはD850・D500を手元に置いておくことにしました。

1)入手前の気になったこと
予約から実機を受け取るまでの約一ヶ月間、Z7の掲示版にはフルサイズミラーレスで先行するソニーや後追いのキャノンのユーザーが入り乱れてネガキャンのオンパレードでした。Z7は予想より(or期待より)高い価格設定で登場したためニコンユーザーの反発も強かったようです。価格設定が高過ぎると言う指摘は、小生も大いに同意するところでネガキャンとは言い切れませんが、この点はニコンの戦略の拙さが出たようです。

ニコンZ7(クリックで拡大)

新機種の発売価格が高いのは覚悟の上でしたが、小生が危惧したのはフルサイズミラーレスのバッテリーの持ちでした。以前使っていた1型ミラーレスのV1で懲りていたので、予約はしたけど一抹の不安がありました。2018年夏当時の愛用機D500やD850の場合、2~3日の旅なら予備のバッテリー1個で間に合いましたが、V1の場合は消耗が激しくフル充電の電池でも1日持つか持たないかだったのです。発表されたカタログ値(撮影可能枚数)も控えめな値だったので予備電池を買い増すことにしました。

メモリースロットがXQDのシングルスロットだけと言う指摘は、XQDのメモリーモジュールとしての信頼性や性能を考慮すると、SDダブルスロットのソニー機に対してXQDシングルスロットのニコン機が劣るとも言い切れないと思いました。偶々、この時期にソニー機のメモリー関連不具合が発覚して「シングルかダブルか」の論争は沈静化しました。小生の場合、D850ではSDスロットは使わずXQDスロットだけ使っていたので、あまり問題視してませんでした。ダブルならXQDのダブルスロットにしたいところです。

瞳AFが無い点が指摘されました。ニコン応援団は、顔認識で十分だとか、MF派なのでそんなもの必要無いとか侃々諤々でしたが、先行するソニー機にあって後発のニコン機に無いので、この点ではニコン派は非勢にたたされました。小生は殆ど人物を撮らないので顔認識を使ったことがなく、瞳AFの必要性を感じませんでした。とは言え、Z7開発陣はこの点は宣伝戦で不利と認識したのか、ファームアップで対応することを発表しました。その後、Z6も発売されて、掲示版サイトも落ち着きを取り戻しつつあります。

2)実際に使ってみて
バッテリーの持ちは使ってみないと分からないので、Z7と同時に予備として2個追加しました。V1時代の予備が1個あるので予備バッテリーは3個となりましたが、3日間の紅葉散歩では予備1個で間に合ったので、バッテリーに関しては安心しました。Z7と同時に購入したバッテリーは「Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL15b」ですが、V1時代の予備バッテリーは無印の「EN-EL15」です。下の写真の右下隅の真っ黒い外観の電池が無印EN-EL15で、残り3個はEN-EL15bです。

バッテリーとメモリーカード(クリックで拡大)

メモリーのXQDは、D500と同時に購入したレキサー製XQDカード(64GB)、D850を使い始めてから追加購入したソニー製XQDカード(128GB)に加えて、Z7と同時に購入したソニー製XQDカード(128GB)があるので、小生の撮り方では不足することは無さそうです。
なお、カードリーダーはXQD専用ではなくXQDとSDに対応した SONY の MRW-E90を使用しています。これは D500とD850がSD対応だった名残です。

カードリーダー(クリックで拡大)
 

2018年の紅葉散歩には、当然のことですが Z7 を持ち出しました。同じニコンのカメラなのでマニュアルを読まなくても使用出来ましたが、撮影後暫く経つとEVFの電源が切れてファインダーが暗くなり、次に覗いた時に点灯操作のために1テンポ遅れるので弱りました。消費電力を抑えるためと思い、パワーオフ時間の設定はそのままにして、ファインダーを覗く動作に合わせてAFボタンを押すクセをつけました。二回目の三渓園の紅葉撮影ではこの問題は殆ど意識しませんでした。

掲示版サイトの議論で知ったのですが、ソニー機ではEVFの拡大表示を「シャッター半押し」で戻せるようです。ニコン機にはその機能が無いので掲示版サイトで指摘されていました。ニコン派は他のボタンに割り付けるから問題無いと反論してましたが、小生が実際に使ってみて、ソニー機のように「シャッター半押し」で拡大表示を元に戻せるようにして欲しいと思いました。小生は、拡大機能を「動画撮影ボタン」に割り当てていますが、右手人差し指は常に「シャッターボタン」の上にあるので、拡大表示を「シャッター半押し」で戻す方が格段に使い易いです。

大阪・奈良の紅葉散歩にZ7を持ち出して使ってみて、小生の用途にはZ7で問題無いことを確認したので、出番の無くなったD500とD850は処分することにしました。どちらもレフ機の傑作だったので、手放し難く感じて売却が遅れたため、中古価格はかなり下がってしまいましたが、先に行けば更に値下がりするので売却しました。同時にFマウントのレンズも処分しましたが、AF-S DX VR NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED だけ手元に残しました。望遠が必要になった時の緊急避難用です。