2台目のフルサイズミラーレス

Z7を2018年の登場以来5年間使い続けてきましたが、2023年にZ8がリリースされたのを機に乗り換えました。フラグシップ機Z9を軽量化したZ8に魅力を感じ、その重さには目を瞑りました。とは言え、Z7の前に使っていたD850よりは僅かに軽いことで《重さは何とかなる》と思ったのです。MADE IN JAPANの銘板のついたZ7は手放し難かったのですが、馴染みの中古買い取り店で売却、予約したZ8は発売日に入手しました。ところが、旅行に持ち出す前に予想外のリコール騒ぎでビックリしました。

◆立て続けのリコール
2023年の6月に「レンズが装着できない件」と言うリコールが発表され、シリアルナンバーが該当したため、鶴見の修理工場に入院させました。無事退院してきたのでホッとしていたところ、8月に入って「ストラップ取り付け部の対策に関して」と言うリコールが発表されました。隠居がカメラを持ち出すのは春のお花見と秋の紅葉の季節なのでリコールの実害はありませんでしたが、本格的に使う前に新品カメラを2度も修理工場へ入院させる異常事態となりました。

◆旅先の転倒事故
購入して直ぐのリコール2件でケチが付いたのか、秋の紅葉散歩二日目、桂離宮、苔寺、地蔵院、松尾大社と回って、嵐山を抜けて嵯峨嵐山の駅に向かう途中で転倒事故を起こしてしまいました。被害状況は下図。

京都紅葉散歩での転倒事故(クリックで拡大)

撮影目的の散歩では、ストラップを手首に巻き付けてカメラをぶら下げて歩くのが我が散歩スタイルです。躓いて「アッ!倒れる」と思った瞬間から地面に倒れ込むまで、一瞬のことであり、どんな姿勢で倒れたかは覚えていません。左膝の打撲、右手親指付け根の打ち身、右目下の傷、等から考えて、カメラと身体を庇いながらストラップを巻き付けた右手が本能的に地面を突いたと思われます。カメラは、レンズフードの先端に擦り傷が見えることから、レンズフードを先頭にして地面に落下したようです。

倒れる時、持ち堪えられなかったのは老化で足腰が衰えたせいと思われます。情けないけれど自力で立ち上がれず、近くにいた大柄な外国人に助け起こされました。周囲から「血が出ている」とか「脳は大丈夫か」とか、声を掛けられましたが、自分としてはカメラの方が心配でした。身体の方は大丈夫そうだったので、周囲の人に「有り難う」と言って現場を離れました。嵯峨嵐山駅に向かう途中でスレ違った人達が驚いたような表情を見せたので、駅に着くとトイレに飛び込み鏡を覗くと、目の下に出血があり、マスクが血に染まっていました。

2台目のミラーレスZ8(転倒事故後)(クリックで拡大)

肝心のカメラは、ホテルに戻って点検したところ、外観上の傷は上の写真で見えるようにフードの先端に少し擦り傷が見える程度でした。数回シャッターを押してみて画像を確認した程度ですが、カメラの機能には問題無さそうでした。

1)転倒事故後のカメラの異常
一晩休んで、前日の転倒事故の影響は心身共に薄まりました。皮肉なことに3日目は、山陰線で嵯峨嵐山駅まで行きバスで大覚寺に向かう予定で、忘れたい転倒事故を逆に思い出すことになりました。この日、何度か道を間違えたり、行き先を素通りしたりしたのは転倒事故の影響だったかもしれませんが、カメラの方は問題無く撮影出来ました。問題は最終日の府立植物園で発生しました。

◆再生コマ送りの異常
府立植物園で撮影済みの画像を確認する時に気がついたのですが、時々コマ送りが停止して動かなくなるのです。応急処置としては、一旦再生モードを切って再度再生モードに戻ることです。簡単ですがとても不便です。ここで頭に浮かんだのは当然「転倒事故の影響」でした。次週、忘年会で新宿に行くので序でにニコンのサービスセンターに持ち込んで点検してもらうことにしました。結果は「異常無し」でした。忘年会の席上で、翌日「三渓園のライトアップ」があると聞いたので、点検結果の確認を兼ねて三渓園に出掛けました。ところが、再生時のコマ送りの異常がありました。

◆修理工場での点検
新宿のサービスセンターは当てにならない(と誤解でして、ゴメン)と考え、数ヶ月前の二度のリコールで送り慣れた鶴見の修理工場に再度の点検をお願いしました。修理係の勘違いだったか一寸した手違いがあって、点検作業が年を越してしまいましたが、修理工場での点検結果も「異常無し」でした。

◆恥ずかしながら自己解決
サービスセンターも修理工場も異常無しと言うので、原因は隠居の操作ミスかもしれないと思いました。最近、BDレコーダーの操作でも似たような経験をしたのです。下図のように、BDレコーダーのセレクターと決定ボタンの関係が、Z8のマルチセレクターとOKボタンの関係によく似ているのです。どちらも中央のボタンを囲んで、外周に ◀、▲、▶、▼の機能が配置されています。

マルチセレクターと決定ボタン(クリックで拡大)

BDレコーダーは毎日操作していますが、録画済み番組を探してセレクター操作で上下移動している時、知らないうちに中央の「決定ボタン」を押していて再生モードになることがあります。老化で指先の動作や感度が鈍くなり▲や▼のつもりがその中間にある決定ボタンを押しているようです。Z8のマルチセレクターも似たような構造なので、こちらも◀や▶のつもりが▼や▲になっていて、一コマ表示画面が「標準表示」から「画像のみ表示」に変わってしまった可能性があります。自分で色々試した結果、◀と▲の中間辺りで▲が選択されることがあり、再生画面が「画像のみ表示」になることを確認しました。そうなると、コマ数の表示が消えコマ送りも出来ません。隠居が「コマ送り異常」と思った症状は、隠居の操作ミスでした。m(_ _)m

勘違いした再生画面の異常(クリックで拡大)

サービスセンターへ持ち込んだり、修理工場に送ったりして大騒ぎした「再生異常」ですが、上述のように、自分の操作ミスが原因でした。大山鳴動して鼠一匹と言った結果で、何とも恥ずかしい自己解決ですが、自分としてはスッキリしました。

◆後日譚
今春の「四国散歩」では、再生画像の確認では上記のことを意識してして操作していたので問題は起きなかったと思われます。実はボケ気味の隠居はその辺の記憶が曖昧で、1~2回は起きていたかもしれません。起きていたとしても、原因が分かったのでトラブルと思わなくなったのは確かです。

2)Z8用メモリーカード
Z8のメモリースロットは D850と同様に2つあり、CFexpress カードとSDカードが使えます。Z7はスロットが一つで CFexpress カードだけだったので進歩かもしれませんが、普段SDカードを使わない小生としては、CFexpress カードのダブルスロットにして欲しかったです。

メモリースロット(クリックで拡大)

D500、D850以来のXQDカードも使えるのですが、折角なので  Z8購入にあわせてNextorage社製のCFexpress カードも購入しました。容量は330GBですが、隠居は動画を撮らないので3~4日の旅ではこれ1枚で十分です。これまで使ってきた128GBのXQDカードは予備としてバッグに入れていますが、全く出番が無くなりました。従ってSDカードは予備のまた予備といったところで、上の写真では写っていますが普段は装填もしてません。

手持ちのメモリーカード(クリックで拡大)

3)カードリーダー
D500、D850、Z7 では、ソニーの
XQD/SD Card Reader を使っていましたが、残念ながら CFexpress カードには対応してないので、Nextorage のカードリーダーを追加しました。

カードリーダー(クリックで拡大)

4)バッテリー
本体のZ7がZ8に入れ替わっただけなので、バッテリーの保有個数は相変わらず4個ですが、Z8に付いてきた「EN-EL15c」は、消耗耐性がZ7についてきた「EN-EL15b」より高いように感じています。但し、電池消耗はZ8>Z7と言う感じで、4日間の散歩では、Z7が電池2個、Z8が3個使用しています。下の写真では、右上隅の保護キャップの付いていない電池がEN-EL15cで、残り3個はEN-EL15bです。

手持ちのバッテリー(クリックで拡大)

最近、Z6Ⅲの口コミ掲示板の投稿(書込番号:25808200)で見たのですが、EN-EL15のバージョンの違いは下表のようです。また、EN-EL15cの使用温度範囲は、-10°C~40°Cと低温側が0°Cから-10°Cに広がっています。

バッテリー(EN-EL15)(クリックで拡大)

以上が2台目フルサイズミラーレスZ8の使用状況です。折角の準フラグシップ機なので、長く使用したいと思っていますが、今回の空騒ぎを反省してもう少し真剣にマニュアルを読んで使いこなしたいと思います。とは言え、最近の隠居は覚える傍から忘れるので実現はなかなか大変なことです。