ドイツ最高峰

授業の終わりに先生が急に「ペラペラ——」と言った。良く聞き取れずにいたので、周りの者に聞くと「明日は休みなので、云々」と言ったらしい。 どうも「祝日」らしいと推定したが、未だドイツのカレンダーを持っていなかったので何の祝日なのか分からなかった。下校の途中で、 隣のクラスのW氏から「明日、K氏の車でツークシュピッツェへ行こう」と誘われた。

W氏に聞くと「明日は聖母昇天祭」だと言う。 先生は「Maria Himmelfahrt 」と言ったらしいが、小生には聞き取れなかった。休みなら少し復習をしようと考えていたのだが、ドイツ最高峰のツークシュピッツェには前々から行きたいと思っていたので、誘惑に負けて同行することにした。なお、最近ネットで調べたら、その日は「聖母昇天祭」ではなく「聖体祭」だったようだ。

聖体祭の行列

車のオーナのK氏は既に半年ほどドイツに滞在、彼方此方のゲーテインスティチュートを渡り歩いてきてドイツ語は達者だった。最近、免許証を取得して中古のカブト虫(フォルクスワーゲン)を購入したので、ドライブに熱中していた。ガソリン代を負担出来るのは社用で滞在しているK氏と小生だけなので、この後もプリーンでは何度かドライブに誘われた。

当日はホテルキーム湖まで迎えにくるとのことだったので部屋で待っていると、廊下の突き当たりにあるベランダの方がなんだか騒がしい。覗いてみたら、駅前通りを「聖体祭」の行列が通って行くのが見えた。寮生に混じって、2~3枚写真を撮っていたら、K氏のカブト虫が到着した。メンバーは日本人ばかりK・O・Wと小生の四名である。ドイツ語の勉強にはならないが、丁度良い息抜きであった。カブト虫の後部座席は出入りが面倒なので、最年長の特権を行使して助手席を占有した。車は一旦ミュンヘンに向い、そこで別のアウトバーンに乗り換えた。

プリーンからツークシュピッツェへの移動ルート

初めてのアウトバーンは楽しかったが、天気が良すぎて車内が暑かった。 カブト虫には当然クーラーは付いてないので天窓を開けて走行した。ミュンヘンには各方面からアウトバーンが接続するが、免許を取ったばかりの初心者K氏は、勝手が分からず、ミュンヘンでの路線乗り換えに手間取った。中古のカブト虫はパワー不足で大人が4人乗ると120Km/h がやっとだった。途中、何台ものベンツやBMWに追い抜かれ、登り勾配になると苦しそうだった。

ガルミッシュ・パルテンキルヒェンからツークシュピッツェへ

◆ミニアルバム