大丈夫かIntel

最近、IntelのCPU劣化問題がYouTube動画や掲示板で騒がれています。インテルの13/14世代CPUを搭載したPCで、ゲームのプレイ中にシステムのクラッシュが頻繁に発生するようです。ゲームをしない小生が気がついたのは今年(2024年)に入ってからでした。IllustratorやPhotoshopを使っている時、偶にフリーズやブラック画面に遭遇するのです。大抵は数十秒で回復するのですが、原因は今話題のCPU劣化なのかもしれません。

当初インテルは、オーバークロックによる電源供給過剰とかマザーボードの設定が原因とか主張して自社の責任を認めませんでしたが、返品された Raptor Lake CPU を調査した結果、CPUに組み込まれたマイクロコードが原因で、誤って動作電圧を上昇させてしまうためCPUの劣化が進み不具合が発生したことを認めました。不具合原因がCPU本体にあることから、インテルはマイクロコードの修正と保証期間の2年間延長を発表しました。

◆BIOSの更新
8月に入って、マイクロコードの修正パッチを当てたBIOSがマザーボードメーカーから公開されました。早速ダウンロードしてBIOSアップデートを実施しました。普通、BIOSの更新は外からは見えませんが、今回は起動画面のロゴが変わったので、起動画面からも更新が確認出来ました。とは言え、0816から2503に変わったので、その間に何度かバージョンアップがあった筈で起動画面はもっと前に変わっていたかもしれません。

PC起動画面(クリックで拡大)

◆保証期間の延長
保証期間が2年間延長されたので、2022年末に購入した我がCPUの保証期限は元々の3年間に2年をプラスして、2027年末になりました。(下図)
今回のBIOS更新でCPUの劣化は止められたとしても、それ以前に蓄積された劣化は元に戻らないので、いずれそのうちにCPUの交換が必要です。

保証に関する情報(クリックで拡大)

◆ダメージを受けているかどうかのテスト
CPUが劣化しているかどうかの確認方法として、Nvidia系のグラフィックカードの「ドライバーインストール」を5~10回繰り返すと言う方法が提案されています。劣化している場合はインストールが途中で進まなくなるようです。横着者の隠居は、インストールを10回も続けるのは面倒なので先延ばししていましたが、矢張り気になるので試してみました。10回続けてインストールした結果、4回目と9回目でインストールを失敗しました。どうやら我がCPUも劣化しているようです。

なお、この劣化問題については「Intel Raptor Lake CPUの劣化問題」にもう少し詳しく記しました。

【追伸】
最近《Intelはどこで間違えた? ~2つのミスジャッジと不調の根本原因》と題した記事を読みました。「湯之上隆のナノフォーカス」と言うサイトに載っていた記事で、Intelの業績が低迷しいる原因として、過去の2つの判断ミスを挙げています。一つはAppleからの生産委託を拒否したこと、もう一つはOpenAIとの取引を成立させられなかったことです。

その結果、今やAppleからの生産委託はTSMCの売り上げの25%以上を占めることになりました。また、OpenAIがChatGPTを公開してからは、Intelの得意分野であった「データセンター向けの半導体」でNVIDIAが急成長しており、Intelは大きく水をあけられたそうです。

しかし、不振の根本的原因は、2005年~2009年に2万人のリストラを行ったことで研究開発力が低下して、2014年以降の微細化の進行が混乱したことだと記しています。そのため14nmの立ち上げが1年遅れ、更に10nmの立ち上げでは5年以上遅延することになったと書いています。
i8008の時代からIntel CPUを買っているインテルとは長い付き合いの小生、思わず「大丈夫かIntel?」と漏らしてしまいました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Optionally add an image (JPEG only)