普通の旅行者ならエンジントラブル等で予定が狂うと腹が立つものだが、宿泊費と食費を日航が負担する「メキシコの休日」が実現したので、腹を立てるどころか大歓迎だった。日航負担分のうち食費は、ホテル内で通用するクーポン券?を渡された。ところが朝食のクーポン券で一寸したトラブルを経験した。好事魔多しである。
朝の食堂でボーイに朝食をオーダーした時、注文と同時にクーポン券を渡してしまったのだが、食事を終わって席を立つ時に「食事代を払え!」「もう払った!」の騒動になった。小生がクーポンを渡したボーイは勤務を交代して帰ったらしく、代わったボーイはクーポン券を受け取り済みなことを引き継いでないようだった。
日本ならまず起きないトラブルであるが、食事が終わるまで券を渡すべきでなかったと反省しつつ、小生が「券を持っていない」ことが「払った証拠」 だと言っても、説得力も迫力も不足していた。幸い、少し離れた席の米国人らしいご夫婦が「小生がクーポンをボーイに渡すのを見た。」と助け船を出してくれた。
◆メキシコ出国
出発の朝、荷物を整理してカバンに収まらないことが判明した。チワワの土地開発会社の担当者からアンモナイトの化石を数個頂いた。重いので断ったのだが、熱心に勧めるので断り切れなかった。 その後、職場用に多量のお土産を仕入れたので、何か削る必要があった。やむを得ず化石の処分をホテルのメードさんにお願いした。
空港のお土産屋さんのレジで「大きなお札と端数の小銭」を出したら、レジ係の女性がパニックを起こしてしまった。彼女は現品の価格にお釣りを加えて「大きなお札」の額に等しくなるようにするのだが、小生が余計な「端数の小銭」を出したので混乱してしまったようである。これも日本なら起きないトラブルである。
1月27日(金)10:00、JL011便でメキシコを発って、二週間前とは逆のコースを辿って飛んだ。席はジャンボの2階席で、バンクーバーまでは乗客は我々調査団員だけだった。狭い空間だが貸し切り席のような雰囲気だった。スチュワーデスにその週の月曜日が小生の誕生日だったと言うとシャンパンが出てきた。

帰国後、メキシコにもう一度行ってみたいと思いつつ27年が経った。 片言でもいいからと思い、TVのスペイン語講座を録画して独習していたのだが、工場に転勤して超多忙の日々を送る中でスペイン語学習は挫折した。数年前の引っ越しでそのテープも処分してしまった。
定年退職後は隠退生活に入ったので、何時でも、何処でも行けるようになったのだが、残念ながら十数年前に体調を崩し国内旅行も儘ならない状況で海外はとても無理である。当分は昔の写真と記憶を頼りにホームページを造ることで、頭の中で「時間旅行」を試みて楽しんでいる。 平成20年代に入って、おっかなびっくりながら国内旅行に出掛けられるようになった。とは言え、未だ海外はハードルが高い。