松本城花見散歩

長野県・松本市は90年代初めに転勤で5年程暮らした懐かしの地である。首都圏に戻った後も年に一度か二度は訪れていたのだが、体調を崩してからはご無沙汰していた。今年も体調が心許ないので逡巡していたのだが、TVの天気予報で4月5日に信州の桜開花を知り、12日・13日、松本のブエナビスタを予約した。ブエナビスタは小生が松本に転勤して間もなく開業したホテルである。当時、建物も料金も松本一高いと思われていた。

半世紀前の松本出張と言えば、夜行の急行アルプスだった。当時の松本駅は古い木造の駅舎で待合所に大きなストーブがあった。ビジネスホテル等が出現する前のことで、宿は浅間温泉の日本旅館だった。夜行のアルプスは早朝4時頃に着くので、浅間温泉で4時間位仮眠し、温泉に入って朝食をとってから工場に行った。
その後、特急「あずさ」やビジネスホテル「サンルート」が出来て、浅間温泉に泊まることは激減した。

退職後は駅に近いブエナビスタか東急インを利用した。今回(2004年)はブエナビスタに泊まった。体調を崩す前は松本に来ると卓を囲んだが今回は自粛した。麻雀の代わりにAさんが会食を設営してくれた。会食前に、Aさんの車で薄川沿いの桜並木や市南部の弘法山古墳の桜祭りに連れて行ってもらった。松本の桜は既にピークを過ぎていたが桜を堪能した。宴会の終わる頃Aさんが息子さんに電話、息子さんの代行運転でホテルに帰った。

松本マップ

13日も25℃前後で、前日同様に暖かかった。朝7時頃、ホテルの窓から覗くと曇り空でモヤが掛かったようだった。北アルプスも美ヶ原も全く見えず、花見はダメかなと思いつつベッドに戻り、TVを見たり新聞を読んだりして、ベッドを抜け出したのは10時に近かった。心配していた天気は、ホテルを出る頃には回復していたが、周りの山々は一寸霞んでいた。途中のコーヒーショップで軽い朝食を摂り、勇んでお城に向かった。

ウィークディだが観光客で賑わっていた。ペアかグループ旅行が圧倒的に多く、小生のような一人旅は少数派である。お城の周りをグルッと回った後、昔住んでいた社宅の近所に比較的大きな桜の木があったことを思い出して行ってみた。ところが、社宅の周囲には桜は無く拍子抜けがした。一昔前のことなので小生の記憶違いか、事情があって処分されたのか不明である。

松本城花見ルート

◆ミニアルバム(クリックで拡大・移動)

 

◆三の丸はどこか
蛇足だが、松本城の三の丸がどこなのか調べてみた。1728年(享保13年)の絵図を見ると、外堀とその外側に「総堀」が描かれている。その外堀と総堀の間の広大なエリアが三の丸と表示されている。埋め立てられた外堀の一部と総堀を大凡の見当で現代の地図に重ねると下図のようになる。松本城の門は、大手門、東門、北門の他に普段は開けない北不明門(きたあけずもん)と西不明門がある。これで松本城の規模が分かった。

松本城の三の丸エリア