PCの自作は楽しいが、小生のようなウサギ小屋の住人は設置場所が悩みの種である。結局、古い PCを分解してパーツを売却し、跡地に新PCを設置することになる。即ちスクラップ&ビルドが「我が自作道」の大前提である。現役時代は、最高速を求めて最新のCPUを手に入れたり、オーバークロックに血道を上げていたが、退職後は価格と性能のバランスを心掛けてほどほどにしている。
自作市場が賑わったのは90年代である。その頃は、秋葉原に新規開店のパーツ屋さん が次々登場していた。勿論、流行らなくて撤退するお店も多かったが、開店するお店の方が多かったのである。人気パーツのリリース直後は品切れのことが多く、そんな時は、未だ売れないで残っているかもしれないと、雑居ビルの中の小さなお店を訪ね歩いたりした。
自作に夢中になるのは何故か? 自問自答してみる。90年代は未だ未だCPUの能力が低く、もっと高速なPCが欲しいと思って、新しいCPUがリリースされると飛びついたような気がする。その後、Pentium4で周波数が3GHzを超えて限界に近づいた頃、小生は性能よりも消費電力や騒音等の改善に熱中し、Pentium M のような周波数の低い機種を使った時期がある。
Pentium M のアーキテクチャを発展させた Coreシリーズ世代になると、それにあわせて、電源・CPUクーラー・ケースファン等の騒音が著しく改善されたので、最近では騒音対策などで苦労することがなくなり、一寸物足りない気がしている。とは言え、新しいOSや新しいCPUの機能・性能がどの程度のものか確かめたい気持ちが強く、ブームの去った今でも自作を続けている。
これまでに製作したPCをリストアップすると下表のようになるが、手元に残っているのは24号機改だけである。90年代には、インテル以外のCPUでも数台組んでいるのだが、記憶が明確でないのでリストには載せていない。以前はPC関連の新技術を試したり評価したりするため複数台のPCを使っていた。最近はインターネット閲覧、メー ル、デジ一眼(D810)で撮った画像のRAW現像、我がHPのメンテナンス等に使うだけである。
2015年の夏に登場した第六世代の Core i7 6700k とZ170 チップセットにはかなり惹かれていたが、グズグズしているうちに、2016年5月、LGA2011-v3ソケットのBroadwell-Eが登場した。これまでウルトラハイエンドクラスのCPUは敬遠していたのだが、魔が差したと言うか、異常な暑さのせいか、Broadwell-Eや爆速のNVMeのSSDを使ってみる気になった。どうせ組むならWindows10の無償バージョンアップの期限に間に合わせようと、急遽パーツを手配し、自作25号機が完成した。

注1)自作6号機
従来のCeleron 266/300はDeschutesコアでL2キャッシュ無しだが、新登場のCeleron 300A/330は、Mendocioコア、128 KBと小さいものの、CPUコアクロックと同じ速さで動作するL2キャッシュを内蔵していた。その上、簡単にクロックアップ出来たので PentiumⅡより人気があった。
注2)自作14号機
FSB 800MHzに対応したPentium 4、各製品ともFSB 533MHz以下のグレードに同一クロックの製品がすでに存在しており、それらとの区別のためクロックの末尾には「C」が付けられている。
注3)過去の購入機(赤文字の行)
◆1994年、富士通のデスクトップ機FMV-590T2S(Pentium 90MHz)を購入。
◆1994年、東芝のノートパソコンGTR-575(Pentium 75MHz)を購入。
◆1998年、ゲートウェイのSOLO9100(PentiumⅡ 266MHz)を購入。
SOLO9100は中古市場で売却、FMV-590T2Sは旧職場のA氏に寄贈、GTR-575は出向先に寄贈した。