前日、夕食をとるためレストランを探して街を歩いている時、闇ドル屋に声を掛けられた。どこで何を食べたのか記憶が曖昧だが、闇ドル屋のことはよく覚えている。店に入る時は明るかったが食事を終えて出た時は既に真っ暗になっていた。所々に明るいショウウィンドウはあったが、共産圏の夜はとても暗かった。明朝早起きして朝食前に見物することに衆議一決、早々にホテルへ引き上げた。
ホテルのトイレは共同なので、長雪隠の小生は同行者よりも更に早く起きて個室を確保した。ところが便器に腰を下ろして気がついた。ペーパーホルダーが何処にも見当たらない。代わりにロールの穴に棒を通し、棒の端を紐で結んで釘に吊したモノがあった。ロールの残量も心細い。個室内には補充のロールが見当たらないので、いやでも節約を心掛けざるを得なかった。又々共産主義はダメ!と思った。
こまごました困難を乗り越えて漸く朝の散歩に出た。実は宿の名前も場所も全く覚えていないのだが、散歩のスタートが国立博物館なので、宿はその近くだったと思われる。ヴァーツラフ広場を通って旧市街まで歩いた。学校で貰った貧弱な案内図のコピーだけが頼りだった。案内図だけでは建物の故事来歴は分からなかったが、街の至る所に由緒ありげな古い建物があり、町全体が「中世」の塊のようだった。
アルバムのはじめの方の01~12の写真は朝食前に撮ったものである。これを見ると朝飯前にプラハの見所は大抵見たようだ。それに比べるとプラハ城の写真が少ないが、城内は見物客で混雑して押すな押すな状態だったし、昔のフィルムカメラは暗いところが苦手なので撮れなかったと思われる。屋外なら良さそうだが、建物から出ても距離が近過ぎて、巨大なプラハ城は撮れなかったようだ。
ミニアルバム(クリックで拡大・移動)