2000年代前半、我が家の録画・再生の主役は HDD・DVDレコーダにな り、PC で録画することは殆ど無くなった。それでも、TVキャプチャカードは必需品だった。TVを見たり録画したりすることもあったが、殆どはHDD・DVDレコーダの再生画面から「自家焼きDVD」のレーベル用に静止画を切り出すために使っていた。居間のレコーダで再生した動画を書斎のPCで見ながら適当な場面で停止して画像をキャプチャするのである。下図参照。
DVD レーベルの印刷は、複合機 PIXUS MP970 のダイレクトラベル印刷機能を使っているが、サムネイル画像と共に PC で管理しているディスク番号やタイトル名を載せている。ラベルの編集には PIXUS にバンドルされたソフト「らくちんCDダイレクトプリント for Canon」を使った。これまで千数百枚のラベル印刷をしたが、タイトル保存がDVD・BDからハードディスクに移行したので、2011年末の転居後は静止画キャプチャーはしていない。
◆OSのバージョンアップで生じた問題
愛用しているTVキャプチャーカード、カノープスの MTVXシリーズの Windows Vista 対応を待っていたのだが、カノープスが正式に対応しないと発表したため代替カードが必要になった。取り敢えず、Vista 対応の I-O-DATA製 GV-MVP/RX3に乗り換えたのだが、使ってみると決定的な問題が露呈した。外部入力に対してディスプレイ表示がかなり遅れるので、希望のシーンで停止させるのが難しいのである。
残念だが GV-MVP/RX3 の使用を諦め、取りあえず Vista と XP のデュアルブートシステムを構築して MTVX-2004 を使い続けたが、静止画キャプチャ時だけOSを切り替えることが面倒 になった。結局、手持ちパーツでXP専用機を組んで、MTVX-2004を使い続けていた。その後、Vista対応のカードが何機種か登場したので、バッファローPC-MVL/PCI とリードテックのWinFastPVR2200を入手した。
あまり大きな期待を持たずにバッファローの PC-MV5L/PCI とリードテックのWinFastPVR2200をインストールしてタイムラグを測定してみた。両者とも意外と応答が早かった。もしかすると応答の遅いのはI-O-DATA製カードだけなのかもしれない。さすがに画質はMTVX-2004に負けるが、キャプチャした静止画の用途を考えるとどちらもカードも使えると判断した。
◆タイムラグの測定
静止画キャプチャー時はLAN2経由で居間のレコーダを書斎からリモート操作するのだが、若干のタイムラグが生じる。一時停止ボタンを押してから実際に映像が停止するまでの時間を観測した結果が下図である。 PC-MV5L/PCI と WinFastPVR2200 は応答速度の点ではMTVX-2004に遜色ない結果を示している。どちらも画質はMTVX-2004に及ばないが、用途がレーベル印刷なので許容範囲である。

上図は レコーダのリモコンで一時停止した時のタイムラグだが、MTVX-2004 程度なら静止画キャプチャ作業は比較的快適で殆ど支障は無い。PC-MV5L/PCIの遅れもMTVX-2004と同等である。しかし、遅れがその3倍位ある GV-MVP/RX3 になると、動きの激しい映像では希望位置で停止することが難しくなる。
勿論、それぞれの専用ソフト(mAgicTV や Media Center)で再生して、そのコマンドで一時停止させればタイムラグは殆ど無い。(下表参照) しかし、外部入力の場合、PC 画面上の映像は停止してもソース側のレコーダは停止しないので、再生を再開した時、ソース側は「ずっと先」のシーンからの再開になってしまう。
タイムラグ測定結果(単位:秒)
タイムラグのためキャプチャをやり直す場合や幾つかのシーンをキャプチャする場合、一時停止した点から再開出来ないと「頭出し作業」が非常に煩雑になる。自家焼きのDVDをPCで再生してキャプチャする方法もあるが、作業性が悪い。タイトルがレコーダのHDDに保存されている間にキャプチャするのが最も能率が良い。