1日の始まり

「チコちゃんに叱られる!」と言うTV番組があります。小生の入浴タイムと重なるのであまり見てないのですが、偶々年末スペシャルで「クリスマスイブ」が取り上げられたのを見る機会がありました。「クリスマスの前夜」は不正解で「クリスマス当日の晩」が正解だと言うのです。その理由は昔の西洋では「一日の始まりは日没」だったので「クリスマスの前夜」でなく「クリスマス当日の夜」なのだそうです。

西欧人の「一日の始まりは日没」に対して、日本人は「一日の始まりは夜明け」と言う感覚です。江戸時代、暦の上では「真夜中」を1日の区切りとしていましたが、人々は、明六つ(夜明)が1日の始まりと意識していたようです。従って、西欧人の「今晩」は日本人にとっては「昨晩」と言うことになります。とは言え、日本人は真夜中を過ぎた「夜の部分」を昨晩と呼ぶのに抵抗があったのか、真夜中から夜明けの間を「未明」とか「明け方」とかで多少曖昧に表現しています。

正解を聞いて「うわー!」と思いました。
長年の疑問が解消したのです。昔、ドイツに長期出張した時、ドイツ語学校の2ヶ月コースが終わって、プリーンからパッサウに移動する車中でのことでした。

プリーン→パッサウ鉄道ルート

コンパートメントの向の席の女性が「今日の夜、中国で大きな地震があった。」と言うのです。小生は「今日の夜」を「今晩」と取ってしまったので、過去形の表現に悩んでしまい、その場では、午前0時から日の出までを「今日の夜」と表現したのだと解釈しました。しかし、一日の始まりが「日没」ならば、何の問題もありません。ドイツ人の「今晩」は我々日本人の「昨晩」なのです。

コンパートメントで同席した女性3人組

因みに、国立天文台のサイトを見ると、現在の「常用時」は正子(真夜中の12時)から正子までとしています。これに対して、天文学の分野では、天体観測中に日付が変わるのは不便なので、プトレマイオスは正午(昼の12時)から正午までを1日としました。天文学の分野で正子から正子を1日とするようになったのは、1925年1月1日からです。現在でもイスラム暦やユダヤ歴では日の入りを1日の始まりとしているそうです。

ところで、この時話題になった地震は唐山地震で、1976年7月28日3時42分(現地時間)に中華人民共和国河北省唐山市付近を震源として発生したマグニチュード7.5の直下型地震でした。死者数は中国発表で約25万、アメリカの地質調査所の推計では65.5万人となっています。この日、この地震よりもビックリしたのは、ミュンヘンのホテルに入ってTVを点けた瞬間「角栄氏」の顔が大きく映し出されたことでした。角栄逮捕のニュースでした。驚き過ぎてTV画面を撮り漏らしました。

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