ヴュルツブルク

エルランゲンからヴュルツブルクへは列車を利用した。帰りも列車の予定だったが、偶々ヴュルツブルクの工場に単身赴任しているシーメンスの社員が金曜日なのでエルランゲンに帰ると言うので彼の車に乗せて貰った。

エルランゲンーヴュルツブルク間のルート
エルランゲンーヴュルツブルク間のルート

ヴュルツブルクで思い出すのはホテルである。最初の日、駅前からタクシーに乗った。車は市街を抜けて延々と続くブドウ畑の中を行くので、心配になって思わず運転手に「間違いないか?」と聞いてしまった。宿は古城を改造したホテルで、1958年の開業だが、小生が泊まった1977年でも未だ改造途中だった。小生の部屋は3階か4階だったが、未だペンキの臭いが残った、矢鱈だだっ広いツインルームだった。

壁は所々古い石材が剥き出しで、イヤでも古城を想起させた。昔の螺旋状の階段も残っていて、階段を降りてゆくと途中に中世の騎士の鎧が飾ってあった。ビジネス客が利用するホテルではなく観光客用のホテルだった。私的な観光旅行の宿は自分で手配するのだが、出張の宿は駐在員事務所の秘書に任せていた。丁度その頃、ベテランの秘書が退職して若い秘書が担当するようになったせいと思われる。

ヴュルツブルク市街図_ホテルと工場
ヴュルツブルク市街図_ホテルと工場

観念してそのまま一週間丘の上から工場に通った。 工場の人に「何処に泊まっているの?」と聞かれ「シュロスホテル」と答えると、皆さん「何故?」と不思議そうな顔をした。朝晩のタクシー代を考えると中央駅周辺のホテルの方が経済的で便利なのだ。不便 なホテルだが、眺めは素晴らしかった。対岸の丘の上のマリエンベルク要塞とその手前のマイン川沿いの街並みが一望出来た。毎朝早く宿を出て工場に通う、ホテルは寝るだけの小生には勿体ないような眺望だった。

ホテルからヴュルツブルクの街を望む
ホテルからヴュルツブルクの街を望む

ヴュルツブルクに到着したのは土曜日で、翌日の日曜日に街を見物した。レジデンツ、ドーム(大聖堂)、市庁舎、中央広場等を回ったと思うのだが、何故かあまり写真を撮っていない。ヴュルツブルクだけでなく、北欧から帰った後の訪問地の写真は殆ど無い。

レジデンツ・ホーフ庭園1wurz004b

レジデンツ・ホーフ庭園2wurz005aa

ヴュルツブルク滞在中、朝はタクシーで工場へ直行した。 帰りは工場の正門前から中央駅まで路面電車に乗った。工場は始業時間が早いので終業時間も早く、駅前で路面電車を降りる頃は未だ明るいので、旧市街を散歩し、街で夕食を済ませた後、駅前に戻りタクシーを拾ってホテルへ帰るのが1日のパターンだった。

工場にエルランゲンから単身赴任で来ているシステム技術者がいた。調査の最終日に「エルランゲンに帰るなら送るよ。」と誘われ、午後の早い時間に工場を発った。途中までは快調に走っていたのだが、そのうち進まなくなった。渋滞の原因は忘れたが、滅多にない大渋滞に巻き込まれた。トイレを我慢しながら列車で帰れば良かったと悔やんだ。