お正月も元日以外は毎日横浜の地下街を歩きました。松の内のある日、歩きながら無意識に高校時代に習った「ほととぎす(暗路)」を口ずさんでいました。歌っていることに気がついて一寸恥ずかしかったのですが、小声だったので行き交う人は気がつかなかったと思います。
ただ、後半の部分で思い出せない箇所があったので、帰宅して検索するとYouTubeに近藤朔風と志村建世の訳詞の曲がアップされていました。YouTubeには原詩「Her Bright Smile Haunts me Still」を歌った作品もアップされています。
日本語版「ほととぎす(暗路)」
高校時代に習った「暗路」の歌詞は近藤朔風の訳詞でした。近藤朔風版の1番の歌詞は訳詞と言うよりも作詞と言う方が適切かもしれません。下に載せたものは何故か2番は歌われず、1番を繰り返しています。
訳詞:近藤 朔風 歌:河村 順子
作曲:WILLIAM THOMAS WRIGHTON
1 | 小暗き夜半を ひとり行けば 雲よりしばし 月はもれて ひと声いずこ 啼くほととぎす 見かえるひまに すがた消えぬ 夢かとばかり なおも行けば またも行く手に 闇はおりぬ |
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2 | 別れし友よ 今はいずこ 今宵の月に 君を想えば 心はうつろ 思い出消えず 悩める胸に 帰るは彼の日 星影だより 共に語りし 昔の言葉 今ぞしのぶ |
日本語版「消えぬおもかげ(暗路)」
日本語版「暗路」には志村建世の歌詞を使ったモノがあります。
訳詞:志村 建世
作曲:WILLIAM THOMAS WRIGHTON
歌:間庭 小枝 伴奏:米山 知里
1 | わかれた人の おもかげ今も 心なやます とおい旅路に 風にきこえる その人の声 波間に浮かぶ その人の顔 払いのけても 去らぬおもかげ 旅の空にも 消えぬおもかげ |
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2 | 夜明けも近く ひかる星かげ 見上げる空の くらい深みに またもほほえむ その人の顔 まなこ閉じれば 夢をなやます 払いのけても 去らぬおもかげ 旅の空にも 消えぬおもかげ |
鮫島有美子のCD
小生が持っているCD「ローレライ~ヨーロッパ愛唱歌集」にも「暗路」が載っています。但し、歌詞は変則で、1番が近藤朔風版歌詞の第1連、2番が志村建世版歌詞の第1連です。歌詞の混在は変則的ですが、日本語バージョンの決定版となるかもしれません。昨年夏にCDをリッピングしたFLACファイルからmp3ファイルにコンバートしたものを載せておきます。
1 | おぐらき夜半を ひとり行けば 雲よりしばし 月はもれて 人声いずこ 鳴くほととぎす 見かえるひまに 姿消えぬ 夢かとばかり なおも行けば またも行く手に やみはおりぬ |
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2 | わかれた人の おもかげ今も 心なやます とおい旅路に 風にきこえる その人の声 波間に浮かぶ その人の顔 払いのけても 去らぬおもかげ 旅の空にも 消えぬおもかげ |
英語版「暗路」
Edward Johnsonと言うテノール歌手が1919年に吹き込んだものがアップされていました。ややスローテンポな歌い方なので、聞きながら歌詞を追いかけられます。「r」の発音が独特ですが日本人には聞きやすい感じです。
Her Bright Smile Haunts Me Still
Words :Joseph Edwards Carpenter
Composer:William Thomas Wrighton
Singer: Edward Johnson
1 | ‘Tis years since last we met, And we may not meet again, I have struggled to forget, But the struggle was in vain; For her voice lives on the breeze, And her spirit comes at will; In the mid-night on the seas, Her bright smile haunts me still. For her voice lives on the breeze, And her spirit comes at will; In the mid-night on the seas, Her bright smile haunts me still. |
2番はスキップして1番の次は3番 | |
2
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At the first sweet dawn of light, When I gaze upon the deep; Her form still greets my sight, While the stars their vigils keep; When I close mine aching eyes, Sweet dreams my senses fill; And from sleep when I arise, Her bright smile haunts me still. When I close mine aching eyes, Sweet dreams my senses fill; And from sleep when I arise, Her bright smile haunts me still. |
3 | I have sailed beneath alien skies I have trod the desert path I have seen the storm arise Like a giant in his wrath Every danger I have known That a reckless life can fill Yet her presence is now flown, her bright smile haunts me still. Every danger I have known That a reckless life can fill Yet her presence is now flown, her bright smile haunts me still. |
注)ここに載せた動画では、第1連と第3連だけを歌って第2連をパスしていますが、第2連の歌詞も載せておきます。なお、インターネット上に載っている英文歌詞では、第2連と第3連が入れ替わっているものもありますが、ここでは下に載せた楽譜の4ページ目に示された順に従いました。

以上、隠居の正月休みの自由研究でした。